2019/05/25 11:00

「世界でいちばん美しい海岸」こと アマルフィ海岸の絶景をめぐる旅へ

#173 Costiera Amalfitana
アマルフィ海岸(イタリア)


アマルフィの西端に位置し、海岸線を一望にするホテル・サンタ・カテリーナ。

 南イタリアのソレント半島の南岸、アマルフィ海岸。

 世界遺産だからか、映画の舞台になったからか、なぜか、その名の響きだけで、憧憬の念を抱いてしまいます。

 ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが愛する妖精を失い、この世でいちばん美しい地に埋葬しようと切り開いたのが、アマルフィ。

 その妖精の名前にちなんだ地名だそうです。“世界でいちばん美しい海岸”といわれるゆえんは、この伝説からきているのかもしれません。


海岸線の道路で見かけたレモンジェラート売りのおじさん。

 約40キロにわたり続く海岸線は、入り組んだ急峻な岩山が海へとなだれ込み、岬が連続した地形になっています。

 海沿いの道を車で走ると、カーブを曲がっては次の美しい街が目の前に開ける、の繰り返し。

 評判通りの、美しい海岸線です。


傾斜を覆うレモン畑。日本のものよりも大ぶり。

 陽光に恵まれた穏やかな気候から、傾斜にはレモンやオリーブの段々畑が築かれています。


スケール感のある岩山が迫るポジターノ。

 荒々しい岩山の裏側から湧いた雲がゆっくりと移動して、ティレニア海の上に模様を落としています。

 街も美しいのですが、迫りくる岩山の偉容が素晴らしい。


小さな丸石を敷き詰めたアマルフィの海岸。

 そんなドラマティックな地形も、平地が少ないゆえに、先人たちは活路を求めて海へ進出しました。9~11世紀は漁業や貿易で栄え、共和国にまで発展した時期も。

 けれどその後は覇権争いに敗れ、略奪を受け、1343年にはナポリ地震による津波で壊滅的な被害に。さらに平地が少なくなってしまったそうです。


アマルフィのメインストリートも、内陸に進むにつれ、地元の暮らしぶりが見え隠れする。

大聖堂の美しさに圧倒される


アマルフィの守護聖人アンドレアに捧げられた大聖堂。

 アマルフィ海岸の中心の街は、アマルフィ。

 守護聖人の聖アンドレアを祀るアマルフィ大聖堂のドゥオーモがアイコンになっています。

 クーポラの鐘楼が脇に控えたアマルフィ大聖堂は、ロマネスク様式、イスラム様式、ゴシック様式が融合。アマルフィが歩んできた歴史が建築に投影されています。


イスラム様式と地中海様式が溶け合う天国の回廊。

 アマルフィ大聖堂の脇から入る「天国の回廊」は、イスラム建築の建物の中央に地中海風の庭園を配置。庭園の柱の合間から見上げると、高いヤシの木の向こうに青空が見えます。


聖アンドレアが眠る地下礼拝堂。床から天井まで絢爛豪華な装飾。

「天国の回廊」に隣接した付属の聖堂には、聖アンドレアを安置した地下礼拝堂があります。これが、絢爛豪華な装飾をありったけ施したバロック様式の広間。

 大理石のモザイク模様が美しい柱に精緻なカービング、天井を埋め尽くす壮麗なフレスコ画……。圧倒される美しさです。


ドゥオーモ近辺のメインストリートは大混雑。

 ドゥオーモ前から内陸へ続く小道は土産物店やレストラン、カフェがびっしり。


土産物店の軒先にはレモンにまつわるアイテムがずらり。

 店先には名産のレモンを使ったアイテムが並んでいます。レモンを練りこんだパスタやリキュールのリモンチェッロ、レモン柄のエプロンにレモン型のソープなど、黄色にあふれています。


早くから水車を動力として使っていたアマルフィ。製紙工場でも水車を活用。

 さらに小道をぐんぐんと進むと、紙の博物館があります。

 アラビアとの貿易から技術が持ち込まれた手すきの紙。13世紀から1969年までその場所で製紙されていたそうで、今は昔ながらの作り方や道具が展示されています。


光にかざすと、刻印が見えるアマルフィペーパー。

 実は、アマルフィの紙の原料はコットン。動物のおしっこで漂白したのだとか。

 売り場では昔ながらの製法の紙が並んでいます。でも「漂白も昔ながら?」と、手を出すのを躊躇してしまいました。

小さな村めぐりもまた楽しい


ポジターノのバス通り沿いのカフェ。アマルフィのみならず、周辺の街歩きも楽しい。

 アマルフィ海岸では、点在する小さな村めぐりも楽しみです。人気が高いのはポジターノとラヴェッロ。


ポジターノのビーチへ続く小道。下りるはいいけど、上るのがつらい……。

 ポジターノはイタリア屈指のリゾート地。レンガ色やレモン色のカラフルな家並みが崖に張り付き、細い路地が建物の合間を縫ってビーチへと続いています。


レストラン群の背後にそびえるサンタ・マリア・アッスンタ教会。

 ビーチにはオープンテラスのレストランや“モーダ・ポジターノ”と呼ばれる1960年代に流行した綿や麻で作られたビーチファッションを扱うショップなどが連なり、観光客で大賑わい。

 その様子をサンタ・マリア・アッスンタ教会が見守っているようです。


入り組んだ海岸線を見下ろすラヴェッロ。芸術家に愛された小さな町です。

 一方、内陸側のラヴェッロは九十九折りの山道を上った、標高350メートルの断崖に築かれた小さな町。

 高い位置から雄大な岩山とティレニア海がおりなす絶景を、一望にすることができます。

 ここでワーグナーは「クリングゾルの魔法の花園」を作曲しました。アーティストの心も動かす、圧巻のパノラマビューです。

アマルフィ海岸

●アクセス 基点は東端のサレルノまたは西端のソレント。ローマやフィレンツェからはイタリア国鉄(FS線)を使い、サレルノへ。そこからバスまたは船で。
●おすすめステイ先 ホテル・サンタ・カテリーナ
https://www.LHW.com/scaterina/

【日本での問い合わせ先】
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド 


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

文・撮影=古関千恵子



【関連ニュース】

今日の運勢

おひつじ座

全体運

自信を無くしがちだけど、思っているほど状況は悪くないはず。...もっと見る >