2019/06/28 17:00

清水尋也が自ら語るフィルモグラフィ 最新作『ホットギミック』に至る道

 伝説的少女コミックを、新鋭・山戸結希監督が実写映画化した『ホットギミック ガールミーツボーイ』で、一途だが、不器用なヒロインの同級生・亮輝役を演じる清水尋也。

 問題児を演じた『ソロモンの偽証』以来、CREA WEB2度目の登場となる彼が、この4年間の活動について振り返る。

監督が違えば
芝居のアプローチも変わる


――4年前、『渇き。』からの『ソロモンの偽証』の現場で得た経験は、清水さんにとって、どのような財産になっているといえますか?

 動きやお芝居など、ヴィジョンが固まっている成島出監督の下、そのヴィジョンを忠実に再現するという『ソロモン』をやらせてもらいました。

 その前の『渇き。』の中島哲也監督は、まったく真逆の「台本に書いてあることしかやらないのはつまらない」と考える方だったんです。

 そこで『ソロモン』の現場では、台本に書かれてないことを読み解く力やアプローチの仕方によって、自分しか出せないオリジナリティを肉付けしていくことを学びました。

――清水さんが演じた役柄も、『渇き。』と『ソロモン』ではまったく真逆でしたね。

 そうなんですよね。まだ作品数も経験もなかった自分にとっては、監督が違うだけで、撮り方も見え方も、こちらのアプローチも変わるんだということを、この2作で身をもって感じた気がします。

 そして、そんな対照的な2作を経て、自分に合う、合わないということじゃなくて、臨機応変に対応していくようになりました。


――その後、『ストレイヤーズ・クロニクル』では憧れの存在だった染谷将太さんと共演されました。

 この世界で頑張っていきたいと思ったきっかけが、染谷さんが主演だった『ヒミズ』を観たことなんです。そう考えたら、染谷さんは僕の人生の中で、重要な存在。だから、中学生のときに、『ストレイヤーズ・クロニクル』で初めて共演したときは、「スゲエ!」と思いながら、ずっと緊張して声をかけられませんでした。

マンガ原作の
実写化作品に挑む心境


――ちなみに、今年公開された『パラレルワールド・ラブストーリー』で、染谷さんと再共演されたときは、いかがでしたか?

 やはり、僕自身、ちょっと大人になったこともあって、楽しみながらお芝居できました。純粋に染谷さんの芝居を目の前で見られることの喜びが大きかったです。

「僕をこの世界に引きずり込んだのは、染谷さんですから!」と、ちゃんとご本人に言えました。それを聞いた染谷さんは、とても苦笑いされてましたけど(笑)。

――話は戻って、『ちはやふる』3部作では、主人公のライバル校のドSキャラ・須藤を演じられました。

 もともと原作ファンで、いちばん好きなキャラが須藤だったんです。たまに出てきて、キツイことを言う須藤ですが、心のどこかで千早たちのスゴさを認めていて、熱さや情も持っているところに魅力や可愛さを感じていました。

 彼のいろいろな部分を出していきたいと思っていたので、原作ファンからみれば、「須藤はそんなことしない」と思ったかもしれません。でも、3次元のキャラとして演じる僕としては後悔していませんし、とても満足しています。


――『ちはやふる』以降、『ミスミソウ』や『3D彼女 リアルガール』、最新作の『ホットギミック ガールミーツボーイ』と、マンガ原作の実写化作品に出演されますが、どのような心境で挑まれていますか?

 マンガと映画、どっちがスゴいとか、偉いとかいった優劣はないですけれど、そもそものフォーマットが変わるわけです。

 画と文字で表現するマンガの世界から、音だけでなく、最近は4DXのように匂いや水で体感していくところまで、映画は来ているわけで、演者としても、変えることの意味を考えなきゃいけないと思うんです。

 ただ、原作のキャラを一切考えないのはおかしいと思うので、ある程度の枠組みはあるべきですが、そこに固執してしまうと、僕たちが演じる意味がなくなってしまう。その塩梅みたいなものは、常にシビアに意識して演じています。

プライベートでは一切会わない
高杉真宙の存在


――高杉真宙さんとの3度目の共演となった『逆光の頃』もマンガ原作ですよね。

 あの原作に関しては、娯楽性より芸術性を感じていたので、ほかの実写化作品よりはキャラ作りについて考えることはありませんでした。

 現場に関しては、(高杉)真宙とまた共演できたことが嬉しかったですし、僕たちの関係性に近い役どころ。

 しかも、(共演の)金子大地とも友達だったんです。素直にカッコいいなと思える人たちと一緒に映画を作れて、純粋に幸せでしたし、出来上がった作品も完璧だったと思います。

――高杉さんとの関係性は、普通の友人関係とは違って、ちょっと面白いですよね。

 お互いインドアな性格なので、どこか立ち入らないようにプライベートでは一切会わないんです。でも、『逆光』の撮影中は民家に真宙と2人で住んで、毎晩話してました。

 今もNHKドラマ「サギデカ」で共演しているんですが、空き時間はどちらかの控室に行って常に話していますね。この業界で一番最初にできた友達ですし、この不思議な関係性はこれからも変わらないと思います。

――そんななか、どこかライバル視しているところもあるのでしょうか?

 正直な話、僕の人生は僕が良ければ、いいと思っているんです。ほかのことは気にしないなか、真宙が大きな作品で主演をやることを知れば、純粋にスゴいと思いますし、僕自身も嬉しいんです。

 反対に、真宙からは「尋也がうらやましい」と言われますが(笑)。

 だからこそ、お互いに頑張ろう、という気持ちの“負けられない気持ち”があると思います。とにかく人がいいし、カッコいいし、愛すべき存在。

 だから、これからも一緒に意識し合って上がっていきたいですね。大地も今、頑張っているところなんで、あえて連絡していません(笑)。

高校時代の大きな転機


――一方、高校生活において、大きな転機があったそうですね。

 この仕事を始めたことによるプライベートの自由さがないなか、僕は学校という守られた空間の中では一般人として生きたかったんです。それは親にも、前から言われていて、あえて都立高に入ったんですが、高2の終わりにNetflixの映画『アウトサイダー』という、どうしてもやりたい作品があって、オーディションに受かったんです。

 でも、長期ロケもあることで、出席日数の問題で、私立に転校しなきゃいけなくて、結局のところ、自分で学費を負担しました。このときの自分の選択は、今でも後悔していませんね。

 ~次回は最新出演作『ホットギミック ガールミーツボーイ』について、詳しく語っていただきます~


清水尋也(しみず・ひろや)

1999年6月9日生まれ。東京都出身。2014年の中島哲也監督作『渇き。』、2015年の成島出監督作『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』で注目を集める。2018年、ドラマ「anone」で、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞新人賞を受賞。「インベスターZ」ではドラマ初主演を務めた。現在、映画『貞子』、『パラレルワールド・ラブストーリー』が公開中。待機作に、「サギデカ」(NHK/2019年8月31日~放送)、映画『甘いお酒でうがい』(2020年公開予定)等がある。


『ホットギミック ガールミーツボーイ』

ごく普通の家庭で暮らす平凡な女子高生・初(堀未央奈)は、幼なじみで、昔から憧れの存在だった梓(板垣瑞生)と再会。また、同じマンションに住む口の悪い亮輝(清水尋也)や、ある秘密を持つ兄の凌(間宮祥太朗)といった、3人の男性との間で、心が揺れ動いていく。
2019年6月28日(金)より全国公開中
http://www.hotgimmick-movie.com/
(C)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘



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