2019/07/12 17:00

20歳の新鋭・清水尋也が心から驚いた 新作『ホットギミック』の独自性とは

 鋭い眼光を武器に、クセの強いキャラを中心に演じ、着実に実力を付けてきた清水尋也が、こちらのコーナーに4年ぶりの登場。

 最新出演作『ホットギミック ガールミーツボーイ』で、これまで体験したことのなかった監督の演出について語る。

18歳にして、ドラマ初主演


――2018年にはドラマ「anone」に出演し、広瀬すずさんとの再共演。難病を患う青年を演じ、その演技力が高く評価されました。

 当時の僕がTVドラマに出ること自体珍しかったんですが、事務所を移籍して、まずはいろんな人に知ってもらいたいと思っていたところ、ちょうどオーディションの機会を得て、選んでいただきました。

 女優として尊敬しているすずと、また共演することのプレッシャーもありましたが、新人賞(第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞)として、形に残る評価をしていただけて有難かったです。


――そして、その年には学生投資家を演じた「インベスターZ」でドラマ初主演されます。

 主演ドラマに関しては、もちろんいつか一度はやってみたい気持ちもありながら、どこかでそれはタイミングだと思っていました。

 ただ、有難いことに思っていたより早かったですね。周りのキャストさんの方が年上で、みなさんに支えてもらいながら、先輩の胸を借りる想いでやらせてもらいました。

 自分にとって、ターニングポイントでもある大事な作品になりました。

本来の姿を誰も特定できない
そのことの面白み


――この作品では顔芸など、これまで見たことのないコミカルな一面も披露されましたね。

「この人って、毎回こういう役だよね」と思われるのが嫌なんです。役者として、得意な役もあれば、不得意な役もできるのは当然だと思いますけど、評価してもらえるように、どんな役でも常に全力を尽くしています。

 毎回違う役をやることによって、極論としては、僕だと気付いてもらえなくなると思うんですね。それぐらいの振り幅があった方がいいと思うし、そうなったら「しめしめ」という気もしますね(笑)。

――それは清水さんが役者を続けるうえでの醍醐味になっているのかもしれませんね?

 僕がいろんな顔を見せることで他人が評価してくれる僕って、役というフィルターを通した僕であって、決してプライベートの素の僕ではないじゃないですか。

 この仕事を始めた当初は、本来の僕が評価されないことに不満を感じていたんですが、作品数が増えたここ1、2年は、逆に僕の本来の姿を誰も特定できないことの面白みを感じています。

『渇き。』の後の『ソロモン』、「anone」の後の「インベスターZ」のように、振り幅ある役を演じられたことはとても面白かったです。


4年ぶりに板垣瑞生と共演した
『ホットギミック』


――最新出演作『ホットギミック ガールミーツボーイ』は、『ソロモン』以来、板垣瑞生さんと4年ぶりの共演作でもありますね。

 世代も一緒だし、『ソロモン』のときに、これから先も共演するんじゃないかなーとなんとなく思っていました。その後も、瑞生とはプライベートでも会っているので、役者の友達という感覚はあまりないんです。

 ただ、今回の共演が決まって、毎日のように瑞生と会えることが嬉しかったですね。

――亮輝というキャラクターを演じるうえでの役作りは?

 どの作品でも、前もって、じっくり準備したり、考えるようなことはなく、今回もあまり作り込まずに、山戸監督から役についての話を聞いて、僕の考えも話して、共有していった感じです。

 亮輝の恰好をして、芝居場に立ってみないと気持ちが分からないですし、ほかの人の芝居の出方によって変わりますから。


山戸結希監督の
独特な演出とは?


――ちなみに、山戸結希監督の演出スタイルは、ほかの監督とどのように違いましたか?

 監督が納得しなければ、当日のスケジュールは関係なくテイク数を重ねて、撮り続ける。そのこだわりは、異例中の異例だと思います。

 それだけ、「いいものを作りたい」という表現者のクリエイションとしては、美しい追求の仕方ですし、100%の熱量をぶつけてくる才能だと思いました。

 そこまで、僕たちの芝居を見てくれているので、役者としては名誉なことで嬉しかったです。

――セリフ量の多さについては?

 正直大変でした(笑)。

 また、カットを割らずに芝居を通しますし、台本の変更も1行、2行どころか、シーン全部変わることもあるんです。

 そのことに驚くこともある現場でしたが、それが監督のスタイルだと思うし、僕としてはできるかぎりいいものを作らなきゃいけないという意識のうえでやっていました。

自分で満足できる
芝居をしたい


――4年前、“山田孝之さんのようなコメディでもシリアスでも、存在感ある演技ができる魅力的な役者”を目指されていましたが、現在の心境的にはそこに近づけましたか?

 最近思うのは、他人が見た評価はもちろん大事ですが、自分で満足できるお芝居をしたいですね。

 ただ、それによって成長は止まってしまう可能性もあるので、そこは矛盾に感じています。

 あと、最近20歳になったのですが、これから下の世代が出てくるなか、「清水尋也に憧れて、この世界に入りました!」というコが出てきたら嬉しいですね!


清水尋也(しみず・ひろや)

1999年6月9日生まれ。東京都出身。2014年の中島哲也監督作『渇き。』、2015年の成島出監督作『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』で注目を集める。2018年、ドラマ「anone」で、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞新人賞を受賞。「インベスターZ」ではドラマ初主演を務めた。現在、映画『貞子』、『パラレルワールド・ラブストーリー』が公開中。待機作に、「サギデカ」(NHK/2019年8月31日~放送予定)、映画『甘いお酒でうがい』(2020年公開予定)等がある。


『ホットギミック ガールミーツボーイ』

ごく普通の家庭で暮らす平凡な女子高生・初(堀未央奈)は、幼馴染みで、昔から憧れの存在だった梓(板垣瑞生)と再会。また、同じマンションに住む口の悪い亮輝(清水尋也)や、ある秘密を持つ兄の凌(間宮祥太朗)といった、3人の男性との間で、心が揺れ動いていく。
2019年6月28日(金)より全国公開中
http://www.hotgimmick-movie.com/
(C)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘



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