2019/06/29 15:00

『グラン・ブルー』の舞台となった タオルミーナで極上の絶景を楽しむ

#175 Taormina
タオルミーナ(イタリア)


ウナホテルズ・カポタオルミーナの1階は洞窟をくり抜いたもの。館内からみたビーチ。

 ダイバーにとってのバイブル的映画トップ10に、リュック・ベッソン監督の『グラン・ブルー』はほぼ間違いなく入っていることでしょう。

 フリーダイビングの世界記録を競い合うジャック・マイヨールとエンゾ、そしてジョアンナの物語。その舞台となっているのが、シチリア島のタオルミーナです。


イオニア海の向こうにエトナ山。緩やかに広がる裾野が優美なたたずまい。

山の中腹にある中心部からロープウェイで海岸へ。

 タオルミーナはシチリア島北東部タウロ山の中腹、標高約200メートルに築かれた細長いエリア。

 街の中心部は北端のメッシーナ門から南端のカターニャ門へと続くウンベルト通り。距離にして約800メートル。この石畳の路地を軸に、階段の小道が数本、交わっています。街歩きが目的ならば、半日もあれば十分のコンパクトさです。


18世紀後半からリゾート地として憧れを集めたタオルミーナ。街が造られたのは紀元前4世紀半ば頃。

ウンベルト通りの広場にある女ケンタウロス像“ケンタウロッサ”。

 高台から突き出た地形なので、広場のちょっとした一角からも、まるでポストカードのような眺望が広がります。

 北にイタリア本土とメッシーナ海峡、南に美しい二等辺三角形の裾野が広がるエトナ山とカターニャまで続く海岸線。この絶景をヨーロッパの文豪や写真家たちはほめたたえ、18世紀後半には上流階級の人々のリゾート地として憧れの存在に。

かのゲーテも絶賛した
ギリシャ劇場


ステージの背後の絶景に視線が行くギリシャ劇場。

 かのゲーテもギリシャ劇場を訪れた際、舞台の背後に広がる海とエトナ山を指して「劇場の見物人として、これほどの眺めを見たものはいないだろう」と、『イタリア紀行』で記したそう。

 たしかにギリシャ劇場の客席から舞台を見下ろすと、演目よりもその背後の景色に目が奪われそう。


赤レンガのたたずまいは古代ローマ時代の改築時のもの。

 ちなみに、この遺跡は紀元前3世紀のギリシャ時代に建造されたもの。現在のレンガ作りの遺構は1世紀末~3世紀の古代ローマ時代に改築されたもの。

 演目もギリシャ時代はギリシャ悲劇や喜劇だったのが、古代ローマ時代は剣闘士による武闘系。人々の遠い歓声が聞こえてくるようです。


ウンベルト通りにあるサン・ジュゼッペ教会。800メートルの通りながら、複数の教会が。

ローカルのショップに交じって、ブランドショップも連なるウンベルト通り。

 ウンベルト通りを散策すると、食材店や絵付け皿のギャラリー、アクセサリー店、土産物店、レストランなど、800メートルの道のりながら立ち寄りたい店があちこちに。

 横道の階段を下りて、あえての迷子になる楽しみもあります。


ウンベルト通りの横道は、山の傾斜に沿った階段状。

 裏道をさまよっていると、デリの店先のテーブルで数皿をオーダーし、ワインを飲みながら談笑しているツーリストを発見。

 少々物価が高いタオルミーナにおける節約のヒントを得た気分。次回はレストランもいいけれど、こういうスタイルに挑戦するのもアリかもです。

『グラン・ブルー』に登場した
あのレストランへ


行きたかったレストランがこちら。1週間、早かった……。

 そんなタオルミーナが舞台となった映画『グラン・ブルー』。

 ウンベルト通りやドゥオーモ広場なども登場しているのですが、どうも記憶に残っているのが、エンゾが「マンマのスパゲッティ以外食べない」という掟を破った海辺のレストランのシーン。


ウナホテルズ・カポタオルミーナは断崖を生かした造り。ふもとにほぼプライベート状態のビーチがあります。

 あのロケ地は、「ウナホテルズ・カポタオルミーナ」。

 レストランを目当てにしていたけれど、訪れた4月はバカンス・シーズン開幕の少し手前。

「あのレストランは4月24日からなんです。1週間後に来てください」と、ホテルスタッフ。なんと、クローズしている時期があったとは。

 営業はしていないけれど、見るだけならば、と天然の地下道を抜けた先のレストランを見学させてもらいました。


1階の洞窟をくり抜いた通路を抜けて、お目当てのレストランへ。

おそらくエンゾが座っていた席からみると、こんな感じでイオニア海とエトナ山が。

 紺碧のイオニア海に突き出たようなレストラン。このコーナーの席で掟を破ったエンゾがマンマに見つかり、周囲が懸命にフォローする光景が思い出され、ファンとしては感動もひとしおです。


ビーチの少し沖にぽかりと浮かぶ小島、イソラ・ベッラ。イタリア語で“美しい島”という意味。

 ホテルの近くにあるイソラ・ベッラも映画のロケ地とのことで、早速『グラン・ブルー』巡礼。沖に浮かぶ緑の小島で、干潮時には浜辺とつながる、トンボロ現象が起きます。


イソラ・ベッラ前のレストラン。

 急傾斜の階段を下りると、そこは玉石のビーチ。透明度の高さも上々です。イソラ・ベッラを望む海の家的カフェもあり、夏ならば海水浴場としても楽しめそうです。


イソラ・ベッラ前。透明度が高く、景色もいいので、ビーチとしてのポテンシャルは高し。

 と、ビーチを観察しながらも、作品のどのシーンで出てきたのか、どうにも思い出せず……。帰国したら、もう一度見直そうと心に誓うのでした。

 映画『グラン・ブルー』、夏にぴったりの作品です。

タオルミナ

●アクセス ローマなどからカターニャ空港へ。カターニャ空港からバスで約1~2時間(バス会社による)
●おすすめステイ先 ウナホテルズ・カポタオルミーナ
https://www.gruppouna.it/en/unahotels/unahotels-capotaormina/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子



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