2019/08/09 17:00

硬派な早稲田ボーイ・押田岳 「仮面ライダージオウ」で羽ばたく

 平成仮面ライダーシリーズの20作品目の記念作にして、最終作「仮面ライダージオウ」で、未来からやってきた明光院ゲイツを演じる押田岳(おしだ・がく)。

 最終章となる『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』でも硬派なイメージを醸し出す彼のリアルな素顔に迫る。

大学合格を機に
「ジュノンボーイ」に応募


――小2の頃にストリート系のダンスを始められたそうですが、その理由は?

 母親に勧められたのがきっかけです。じつはその前からサッカーを習っていたんですが、レッスンの送り迎えやビデオ撮影など、母の熱心なサポートもあって、どんどんダンスにのめり込んでいきました。

 小学校の卒業文集では「将来、EXILEさんと一緒に踊りたい」と書いています。それで高校時代から今もダンスを続けています。

――現在、早稲田大学人間科学部在学中とのことですが。

 さすがにダンサーになるのは難しいので、次の夢が見つかるまでは、ある程度、社会のレールに乗っていこうという想いもあって、大学受験をしました。

 僕自身、教師や公務員といった仕事も向いていると思っていましたし。


――その一方で、16年「第29回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞されます。応募された動機は?

 大学受験というやるべきことが一つ終わって、心機一転、新しいことを始めたいと思ったと同時に、たとえば就職活動をするときに、他人とは違う強みや一芸があった方がいいと思ったからです。

 もちろん、子どもの頃から大河ドラマが好きだったり、映画『永遠の0』に感銘を受けたりもしていて、心のどこかに芸能への憧れもありました。

俳優デビュー後の
戸惑いと危機感


――実際にグランプリを受賞されたときの心境は?

 応援してくださるファンの方が予選を勝ち抜くごとに増えていくことで、「いい報告をしたい」と思い、グランプリを目指す心境に変わっていったんですが、グランプリを獲ったときはビックリしました。

 ただ、予選を勝ち抜いてくうちに、「もしグランプリを獲ったら、芸能界でチャレンジしてみたい」という気持ちにもなっていきました。

――そして、同じジュノンボーイ出身の溝端淳平さんらが所属する事務所エヴァーグリーン・エンタテイメントに入り、17年「ぼくは麻理のなか」で連ドラ初出演を果たします。

 僕は緊張しやすい性格だし、自分に自信があるタイプではないので、その頃は本当に怖いという思いが強くて、どうしていいのか、常に戸惑っていました。

 そのため、現場の片隅で泣くこともありました。今でも、それを打破できたわけではないのですが、「仮面ライダージオウ」の1年間を経たことで、少しだけ変わることができたと思います。


――その後、『一礼して、キス』『サムライせんせい』などの作品で、映画の現場も体験されます。

 ドラマと映画の現場の違いもよく分からず、緊張する中、探り探りやっていたと思います。

 ただ、『サムライせんせい』以降、1年近くオーディションに落ちてばかりで、ほとんど仕事がなかったんです。どこかで危機感を感じていたし、社長から怒られることもあって。

 ただ、「何かを変えなきゃいけない」と思いながらも、それが分からなかったんです。

必要なことを学んだ
「仮面ライダージオウ」の1年


――その後、「仮面ライダージオウ」のオーディションで、明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツという大役を手にします。ご自身で「昔ながらの日本男児」と語る硬派なキャラだけに、髪型などイメチェンされましたよね。

 髪型に関しては、少し長かったことを社長に指摘されて、「それぐらいじゃ変わらないんじゃないかな?」と、半信半疑ながら意を決して切ったんです。

 それで挑んだ「ジオウ」のオーディションだったんですが、そんな“昭和の父親”のような社長のおかげで、ゲイツの硬派なキャラができたのかもしれません。

 社長には感謝していますし、社長のように男らしい真っすぐな人になりたいと思っています。

――共演者であるソウゴ役の奥野壮さんは、3歳年下ですが、彼との信頼関係は、どのように築かれていったのでしょうか?

 3歳年下でも、思考が完全に大人な彼には心から感謝しています。

 僕に合わせてもらったところも多いと思いますが、2人でタッグを組んで、1年間同じ作品をやっていくうえで、お互いを知ることから始めました。

 だから、撮影インして1週間たたないうちにご飯やカラオケに行きましたし、日常生活でもコミュニケーションを取れる機会をできるだけ作りました。


――「ジオウ」の1年間で学んだことは?

 ゲイツはキャラ的にも、セリフが堅いイメージがあるんですが、生瀬勝久さんから「キャラの枠だけやっていたら面白くならないよ」と言われたことで、新たな芝居のアプローチを知りました。

 芝居に関してもそうですが、一社会人としての人間関係や、これから役者人生を歩んでいくにあたって心掛けることなど、いろいろ学ばせてもらった1年間だったと思います。

自分たちの1年の成果である
新作映画


――さて、最終章となる『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』ですが、本作でのみどころは?

 僕自身のフォーカスで言うなら、仮面ライダーウォズを説得するという珍しいシーンです。

 それから、タイムスリップして戦国時代に行くんですが、時代劇好きな僕としては甲冑を着けてお芝居できたことが嬉しかったです。

 作品としての見どころは、「仮面ライダービルド」やゲストの方の力を借りていた前作(『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』)と違い、バトンを受け取った自分たちの1年の成果であり、「これがジオウです」というものを見せられると思います。それだけ自信がつきました。

――今後の展望や将来の夢について教えてください。

 時代劇や大河ドラマに出たいと思っています。中井貴一さんが主演された映画『壬生義士伝』など、時代劇は自分がやる気を失ったときに、元気づけてくれる原動力でもあるんです。

 あとは、剣術もの。憧れは岡田准一さん。『散り椿』での岡田さんの殺陣で、いろんな発見をさせてもらったことも大きいです。それで最終的に“俳優・押田岳”を確立させたい。

 もちろん、初心や周りの人への感謝を忘れない気持ちも大切にしたいです。


――プライベートの趣味は?

 配信の映画を観たり、ダンスやスケートボードをしたりしていますが、最近はあえてその時に思いついたものに挑戦しています。

 たとえば、ウォズ役の渡邊圭祐くんとキャッチボールしてみたり、大学の友だちと釣りに行ったりして、リフレッシュしています。


押田岳(おしだ・がく)

1997年4月9日生まれ。神奈川県出身。16年11月、第29回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞。17年、「ぼくは麻理のなか」でドラマ初出演、「オサエロ」で舞台初出演。18年~、「仮面ライダージオウ」に明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツ役で出演。待機作に『超・少年探偵団NEO -Beginning-』(2019年10月25日公開)がある。


『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』

何者かが仮面ライダードライブの歴史を消滅させようとしていることを知ったソウゴ(奥野壮)とゲイツ(押田岳)は仮面ライダードライブを救うため、1575年の戦国時代へ向かうが、そこで織田信長と出会う。また、彼らの前に歴史の管理者・クォーツァーが立ちはだかり、その傍らにはウォズ(渡邊圭祐)の姿が。
2019年7月26日(金)より公開中。
http://zi-o-ryusoul.com/
劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘



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