2019/08/10 11:00

アメリカ開拓者が最初に移住した街 アストリアで古き良き街並みを散策

#178 Astoria
アストリア(アメリカ)


100年以上放置され、朽ち果てた難破船、ピーター・アイルデール号。

 太平洋に面して約580キロも海岸線が延びる、米国オレゴン州は北部・中央・南部、それぞれにステキなビーチがあります。


海岸線と並行して走る101号線で見かけた車。

 アストリアは、176回でご紹介したキャノンビーチと同様、海岸線北部の代表的なエリア。キャノンビーチから車で北上すること30分あまりで到着できます。


対岸にワシントン州を望む、海のように広大なコロンビア川。

 コロンビア川の河口に広がるオレゴン州のアストリアは、ロッキー山脈よりも西において、最初に人々が移住した街です。

 もともとネイティブアメリカンの集まる場所であった地で、初期のヨーロッパの探検家や移民たちは、交易に好都合であることを見出しました。

 1906年10月25日、メキシコから北上してきたピーター・アイルデール号もまた、小麦を運ぶためにコロンビア川を目指していました。
 
 けれど川の6.4キロメートル手前の太平洋上で嵐に遭い、座礁。乗組員は全員救助されましたが、浜に打ち上げられた船を動かすことができず、やむなく断念。


かつては立派な帆船だったピーター・アイルデール号。今は子供たちの遊び場に。

 それから100年以上が経ち、全長約87メートルの4本のマストがそびえる鋼鉄製帆船は、今では骨組みだけの姿に。朽ちた難破船は子供たちにとっては巨大なジャングルジム、格好の遊び場になっています。


“グレイブヤード・オブ・ザ・パシフィック(太平洋の墓場)”と呼ばれるほど、船が座礁した海域。

幅があるロングビーチ。犬の散歩に訪れる人も多数。

走行可能なビーチで
4WD車が疾走!

 訪れた日はちょうどアメリカの祝日。凧あげを楽しむ子供連れのファミリーや、波打ち際を歩くカップル、犬の散歩に訪れた人々でビーチはにぎわっていました。グレーの幅広のビーチが見渡す限り続き、遠くに山並みも望みます。

 そんなのどかなビーチ風景の中に、4WD車が疾走しています。


こちらは、警察と共同でビーチの安全を守る民間のコーストガード。

アメリカンなテイストの、コーストガードの車がずらり。

 オレゴン州には数は少ないものの、いくつか乗り物の走行が可能なビーチがあり、最もロングドライブできるのが、ウォレントンとギアハートの間のココ。

 距離にして10マイル(約16キロ)、サンセットビーチやデルレイビーチも含みます。ただし、場所や時期、時間帯の制限があるので、走行するには事前に確認を。

 走行の許可はされてはいますが、正直、環境を考えると、どうかなぁと思ってしまいます。車輪の轍が海辺に生きる動物たちにとっては大きな障壁になりえるし、タイヤのすぐ下に小さな命があるかもしれませんし……。


かつて要塞だった州立公園内には塹壕が残され、中に入ることもできます。

 難破船のビーチから少し北上して、フォート・スティーブンス州立公園へ。


約2.4キロも続く、木製の構脚跡。かつて桟橋建造に使用した列車を運ぶために造られたとか。

 コロンビア川の河口一帯に広がる、南北戦争から第二次世界大戦の84年間にわたって重要な役割を果たした軍事防衛施設です。約17平方キロメートルの広大な敷地は、今ではアウトドアを楽しむ場となっています。


これは海ではなく、川。遠くに見えるのが、ケープ・ディサポイントメント。

 かぎ針のように突き出た、堆積物によって築かれた出洲の突端には、コロンビア川を一望にする見晴台やビーチエリアがあります。

 河畔といっても、波が激しく、まるで荒海のよう。対岸に見る、お隣ワシントン州のケープ・ディサポイントメントが、その名前のとおり、多くの船乗りに失望を与えてきたのが想像できます。ちなみに、このエリアを通行する大型船は特別なライセンスが必要なのだそうです。

古き良き時代の面影を残す街は
映画『グーニーズ』の舞台にも


坂道が多い古き良き港町、アストリア。

ヨーロッパの香り漂う、様々な建築様式が集合しています。

 アストリア市街は、港から立ち上がった丘にパステルカラーの家並みが続いています。スパニッシュ・コロンビア様式やヴィクトリア様式、スカンジナビア風など、どこかヨーロッパの雰囲気を感じる、なつかしい風情。

 この街並みが残されているのは、かつて栄えたサーモン産業が衰退し、1930~40年代から今日まで新しいビルが建造されていないから、だそうです。


映画『グーニーズ』に登場する、かつて刑務所だった博物館。

こちらのお屋敷も『グーニーズ』に登場したとか……。映画を再チェックしたくなります。

 この古き良き時代の面影をとどめた街並みは、映画の舞台としてたびたび登場しています。なかでも『グーニーズ』は封切から30年以上が経ちますが、熱狂的ファンがいるらしく、いまだにグッズが販売されていました。


立派なアストリア・メグラー橋。これが赤かったら、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジのよう!?

この街の名所のひとつ、アストリアコラム。上って、街を見渡すことができます。

 州立公園や市街を歩いている時、ふと、どこからともなく「アウアウッ」とアシカの鳴き声が聞こえていました。

 アシカが暮らし、坂道が多く、巨大なアストリア・メグラ―橋がアイコン。アストリアはどこか、サンフランシスコと似ていますね。

アストリア

●アクセス ポートランド国際空港から車で2時間~2時間30分
●おすすめステイ先 エースホテル ポートランド
https://www.acehotel.com/portland/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子



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